2021-01-01から1年間の記事一覧

本の紹介 清水展・飯嶋秀治編『自前の思想――時代と社会に応答するフィールドワーク』京都大学学術出版会、2020 最初は研究上の必要性から手に取ってその後しばらく放置していたが、『文化人類学』86(2)、2021、の書評を読み、再び読み始めた。一気に読了。「…

本の紹介 柴田優呼『プロデュースされた<被爆者>たち――表象空間におけるヒロシマ・ナガサキ』岩波書店、2021年 柴田氏の前著『”ヒロシマ・ナガサキ神話”を解体する』(作品社、2015年)を楽しみながら読んだ読者としては、今回も期待を持って同書を手に取…

本の紹介 日高勝之『「反原発」のメディア・言説史――3.11以後の変容』岩波書店、2021年 著者は『昭和ノスタルジアとは何か』(世界思想社、2014年)で優れた言説分析を示したメディア論の専門家だけあって、期待をもって読んだ。主要な著作、論者、映画が手…

本の紹介 荻野晃也『科学者の社会的責任を問う』緑風出版、2020 著者は京都大学の研究者として、よく知られている「熊取六人組」の小出裕章氏らとともに原発立地地域の住民の反原発運動を支援してきた。本書の特色は、(1)これまで聖人視されてきた湯川秀…

本の紹介 広島市立大学国際学部多文化共生プログラム編『周辺に目を凝らす――マイノリティの言語・記憶・生の実践』彩流社、2021年 興味深そうな論考が並び、思わず手に取った。まだ全部に目を通したわけではなく、私が関心を抱いた広島の被爆者に関連する論…

本の紹介 砂野唯『酒を食べる——―エチオピア・デラシャを事例として』昭和堂、2019年 酒を主食としているほぼ唯一の民族が存在するという好奇心から、またこの本を高く評価している人が結構いるらしく、酒飲みを自負する人間として面白半分に読んでみた。生態…